
システムエンジニア【転職体験談】 ハローワーク yuki 男性
飲食業からIT業界への転職
高校卒業後すぐに飲食業に就いた私は、20代前半には飲食業に見切りをつけることになります。
理由としては飲食業特有の労働時間の長さ(16時間/日)・休日数の少なさ(2~4日/月)、そして自分の未来が見えなかったということです。
私は将来的には実家に戻り、自分の寿司屋を持つことが夢でした。しかし帰省するたび減り続ける個人経営の寿司屋を見ていくうち、今の時代に地方で寿司屋を経営するという事がいかに難しいか、寿司が美味しいだけではダメなんだ、ということを痛感するようになりました。
小さなころからの夢だった飲食業を辞めることは大きな抵抗がありましたが「ダメならまたやれば良いだろう」と思い、希望とするIT業界への転職に覚悟を決めました。
実際に転職できるまで
IT業界への転職にあたり、まず直面した問題は「経験」でした。
ハローワークでの求人や就職情報誌をみて、応募したものの書類選考での不採用が続き、面接までこぎつけたとしても業界未経験の旨を伝えると、その時点で面接終了・不採用といった結果でした。
今思えば中途採用で欲しいのは即戦力であり、当時20代半ばとなった私をイチから教育する、というのは採用する企業側としてもなかなか難しかったと思います。
そこで私は「経験」をカバーするためハローワークの職業訓練を半年間受講することにしました。
これは当時大学や専門学校に通えるほどの貯金がなかった私が「知識」を得るためにと受講したものです。
実際受講した内容で、転職後に使える「知識」としては1~2割あるかどうかというところでしたが、結果として職業訓練は転職に大きく役に立ちました。
それはやはり就職のため半年間学んだという実績が、私を業界未経験者からある程度IT教育を受けた者に変えていた、ということだと思います。
また就職したい企業に実際に研修に行くことできる制度やトライアル雇用(35歳未満の雇用について、事業主に補助金が支給される制度)などもあり、私を含め受講者全員がIT業界に就職することができました。
転職した感想
ようやく念願のIT業界に入ることができた私ですが、全ての希望が叶えられたわけではありませんでした。
まず私はとある地方都市で採用されましたが、入社にあたり研修や経験を積むという名のもと、東京支社での勤務を命じられました。
さらに実際勤務地は自社ではなく、数十社が集まったプロジェクトで、私はそこに一人放り込まれることになります。
業界経験のない私にとって同じ会社の人間が誰もいない場所で働く、ということはかなり精神的に厳しいものがあり、また今まで学んだ職業訓練とは全く異なる言語やIT業界でもあまり一般的ではない業務内容など、様々なことが私を苦しめ、周りの同僚と同じように働くには数年かかりました。
また当初求人票に記載されていた賞与も会社の業績悪化により、支給されることはありませんでした。
ただ良い面もあり、よく言われていた労働環境が悪いといったことはなく、完全週休2日制、年末年始休暇は毎年きちんと取得することができ、長時間労働についても、年に数回程度と満足いく内容でこれについては「転職して良かった」と実感したものです。
ただこれは個々の現場次第で全く休暇が取れない・長時間労働が頻繁にある、という現場が存在することは間違いありませんが、業界全体が一昔前の劣悪な労働環境を改善しようとしていることは感じていました。
転職後の収入は当初300万円程度で飲食業をしていた時より僅かながらアップしており、その後業界内で会社を転職した結果、最終的には賞与もある会社で400万円程度頂くことができました。
IT業界に転職を希望する人に向けて
現在IT業界は転職を希望する人にとって非常に有利です。それはスマホ普及による市場の拡大・東京オリンピックにむけての特需など、人材が非常に不足しているからです。
しかし安易な転職はおすすめできません。特にプログラマーなどは黙々とキーボードを叩いて、ずっと1人で作業が出来ると思っている方が多いのではないかと思いますが、これは要注意です。
実は転職するまで、私もかなり勘違いをしていましたが、プログラマーというのはコミュニケーションが命です。プログラムは命令した通りにしか動かないので、プログラマーが間違った命令を書き込めばその通り動くのです。
そのためプログラマーの仕事の半分は打ち合わせや仕様理解に費やされ、実際のプログラミングは恐らく1~2割くらいかと思います。
なので転職を希望する方はこの辺りの誤解がないよう、転職を検討してみて下さい。